
会長挨拶
“新時代の桐高同窓会は”
令和6年7月の同窓会総会に於いて会長に就任致しました松島宏明です。自分が桐高に入学した頃には、同窓会長となることなど全く考えてはいませんでしたが、様々な道程を経てまた色々なご縁の中就任をさせていただきました。時代は昭和から平成そして令和へと移り、桐高自体も桐女と統合し新たな共学の桐生高校としてスタートし4年目を迎えました。その間、統合に伴う校舎の増築や生徒の受け入れ、更に先生方の増員と今年度より通信の同一校舎利用など、桐高も激動の中にありました。世界に目を向けると紛争の勃発と長期化、浮かび上がるひずみや分断はかつてないほどの不安をかき立てています。なかでも私たちの生活に直結して、生活様式や学校環境を激変させたコロナウイルスによる感染症の発生は、時代の大きな分岐点になったかもしれません。環境変化も速度を増し、日本でも度重なる自然災害を引き起こし、その対応も一層難しくなっている印象を受けます。おそらく今の時代に高校を卒業したばかりの自分がいたら、不透明な未来に進む為の指針も不確かで、先行きはおぼつかず途方に暮れてしまうに違いありません。そんな時優しいまなざしや温かい言葉は何より心に染みるものです。同窓会の役割とはまさにその優しさと温かさではないかと思っています。 桐高は大正6年創立以来108年を超え、桐女の歴史は更に明治まで遡ります。そして両校が合併し新たな桐生高校としてスタートしたのが令和3年です。今までの両校の歴史の上に新たな同窓会としてスタートした桐生高校同窓会ですが、実際に現在の同窓会を構成するのは旧桐高と旧桐女の卒業生がほとんどです。そしてこれから新たな同窓生として加わることになるのは新たな桐生高校の卒業生達です。それはある意味不思議な成り立ちでもあり、今後に向けて未知数な感覚を持ちます。その中でも同窓会の本質はやはり守るべきものと変革すべきものに大別されると考えています。これまでの桐高と桐女の同窓会は会員相互の親睦と友情を育むことと同時に、いやそれ以上の情熱を新たな卒業生や在校生達に注いできたと思います。その根底にあるものは紛れもない桐生市民に通底する自治の意識と愛情だと確信します。
何より次の世代に伝えることで育んできたこのまちの歴史や伝統が、更に新たな可能性となり、次の世代に同窓生達に伝えられることは、考えただけでも素晴らしいことです。可能性はどのようにも変化していくことで無限の力となるはずです。
今、世界は排他的に不寛容に傾きつつあります。だからこそもう一度考え、確認しなければならないことは、今こそ前を向く多くのまなざしと力が必要だということ、そこには年齢も性別も国籍も肌の色も関係なく、混迷を深めるこの時代にこそ、新たな思考で人々が結集し未来を見据え前を向く事が大事だということです。物事を判断する基準は損か徳かということだけでなく、正しいことか間違っているのかという事を絶えず考え続ける必要があります。私自身にそんな単純でかけがえのない判断基準を伝えてくれたのも、このまちでお世話になった大先輩です。これからの同窓会が担うべき役割もその同一線上にあるはずです。変化の激しい時代に勇気を持って柔軟に対応していくこと、その根底には今までと変わることのない歴史観があり伝統があります。
移りゆく時代はその速度を上げ、急な変化をもたらし、変化し続けるといった予測不能な様相を呈してきました。私たちは一人ひとりが懸命にそれを乗り越えていかなければなりません。同窓会もその起点の一つとしてタフにしなやかに、希望を持って過ごす事のできる未来に繋げるような活動を目指し、様々な事にチャレンジしていこうと思います。ご協力よろしくお願い致します。


